人権・同和教育基礎研修
2021年6月14日 10時14分参観日の3校時に体育館において、全校生徒、保護者対象に人権・同和教育基礎研修会を行いました。
講師に小西 裕久先生をお迎えし、「ピーター・ノーマンを知っているかい?」という演題でお話ししていただきました。
黒人に対する差別問題についてです。
時は、1968年メキシコオリンピック。男子陸上200mの決勝で銀メダリストとなったオーストラリアのピーターノーマン。
彼の記録はオーストラリアでいまだ記録を破られていない。
金メダリストとなったのは、アメリカのトミースミス。そして銅メダリストは同じくアメリカのジョン・カーロス。二人はアフリカ系黒人である。
事の起こりはその表彰式。スミスとカーロスは靴を脱ぎ、黒い靴下で表彰台に上る。これは、アメリカの黒人が、差別によって貧困に苦しむ様子を表現している。
そして、黒人であることの誇りと、立ち上がる意思を訴えるために、頭を垂れ、黒い手袋をはめた手を空に向かって突き上げたのだ。
二人の隣に立つピーターは二人と同じ「人権を求めるバッジ」を胸につけて表彰台に立つ。つまり二人の行為に賛同することを意味していた。子どものころから家族
に、「肌の色など関係ない。人間はみんな平等なんだ。それを忘れてはいけない」と教え育ったピーター・ノーマン。
この「ブラックパワー・サリュート」の映像と写真は、またたく間に世界中に配信され、賛否両論の嵐が巻き起こる。
「あなたがピーターだったらどうしますか?」という問いをなげかけられ、生徒たちは終始腰を立て、真剣な眼差しで考えている姿が印象的でした。身近なところにも
起こりうる差別についてしっかり向き合い、考える機会を提供してくださった小西先生、ありがとうございました。